先日、年商10億円を超える建設業の社長から、こんな相談を受けました。「今期、過去最高益が出そうなんですが……税金のことを考えると夜も眠れなくて」。

利益が出ることは喜ばしい話ですが、何も手を打たなければ法人税・住民税・事業税を合わせて、利益の30%以上が税として消えていきます。そういった社長に私が最近よくご提案しているのが、**オペレーティングリース(オペリース)**という節税手法です。

今回は、節税効果と使い勝手の両面から「社長に本当にすすめられるオペリース」をランキング形式でお伝えします。

第3位:船舶オペレーティングリース

3位に挙げるのは、船舶を対象にしたオペリースです。

損金率は70〜80%が標準的で、案件の期間は5〜7年が中心になります。たとえば3億円を投資した場合、おおよそ7,000万円〜8,000万円の節税効果が期待できます。数字だけ見れば、十分に魅力的なラインです。

ただし、最大の弱点は案件数の少なさです。航空機に比べると市場に出回る案件が限られていて、「やりたいと思ったタイミングで良い案件が見つかるか」という点が読みにくい。

節税効果自体は悪くないのですが、選べる選択肢が少ない分、タイミングが合わないとそもそも活用できないというリスクがあります。検討する場合は、早めに証券会社や専門の担当者に「案件が出たら連絡をほしい」と伝えておくのが賢明です。

第2位:航空機オペレーティングリース(通常型)

2位は、オペリースの中で最もスタンダードな「航空機オペリースの通常型」です。

損金率は80〜85%で、3〜5年の間に損金計上が完了します。同じ3億円の投資で、8,000万円超の節税が狙えます。3位の船舶と比べると損金率が高く、期間もやや短い。コストパフォーマンスが一段上がります。

何より強みは、案件が安定的に供給されていることです。航空機リースは世界規模の金融市場として成熟していて、良質な案件にアクセスしやすい環境が整っています。私のクライアントの多くが、最初のオペリースとしてこの通常型を選んでいます。

初めてオペリースを検討する社長にとって、リスクと節税効果のバランスが取れた「まず使ってみる一手」として最適な選択肢です。

第1位:高損金率型の航空機オペレーティングリース

そして1位は、損金率90%超の「高損金率型の航空機オペリース」です。

3億円を超える投資規模になりますが、1億円の節税が現実的に視野に入ります。これは他の節税手法と比べても、圧倒的なスケール感です。「利益が5億円以上出ていて、どこかに大きく打ってみたい」という社長に特に向いています。

ただし、このタイプには必ず押さえておきたい落とし穴があります。それが出口時の益金算入です。

オペリースは損金を前倒しで計上する仕組みですので、リース終了時に利益として「戻ってくる」構造になっています。ここを事前に設計していないと、「節税できたと思っていたら、数年後に税金がまとめてドカンと来た」という事態になりかねません。

だからこそ、このタイプは税理士との緻密な事前設計が絶対条件です。出口の益金をどう吸収するか——次の節税手法と組み合わせるのか、事業投資に回すのか——を、投資の前から描いておく必要があります。

結局、どれを選べばいいか

ランキングを見ると、節税効果だけを追えば1位の高損金率型が最も魅力的に映ります。ただ、「どれが正解か」は、会社の規模・利益の水準・出口戦略の設計力によって変わります。

目安としては、こんなイメージです。

  • 今期の利益を圧縮したい、かつオペリース初めてなら → 通常型の航空機オペリース
  • 投資規模を上げて1億円節税を目指したい → 高損金率型(出口設計を必ず先に行うこと)
  • 案件が見つかれば検討したい中間ライン → 船舶

いずれの場合も、決算直前の駆け込みでは対応できないケースがほとんどです。案件のタイミングと資金の準備を合わせるには、最低でも決算の3〜6ヶ月前から動き始めるのが現実的なラインです。

利益が3,000万円を超えてきたタイミングで、一度オペリースの活用を税理士と相談してみてください。1億円の節税は、一部の大企業だけの話ではありません。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。